自動車用に使われるガラスには、運転に必要な視界を確保し、風雨や飛来物などからドライバーを守ること、さらには車内の環境を快適に保つことが求められます。また、万一事故が起きた場合、ケガを防ぐための工夫が施されていることも大切です。 安全ガラスは、板ガラスを加工することにより、強度を高めたり、万一破損した場合にも危険を最小限にとどめるようにつくられたガラスです。使用条件、目的に合わせて種々開発され、より確実に安全を守る役割を果たしています。




▼合わせガラス
主にフロントガラスに用いられ、ガラスとガラスの間に柔軟かつ強靭な中間膜を挟み加熱接着したもので、安全性の高いガラスになります。
万一事故が起こった場合、体がガラスにぶつかったとしても、中間層がその衝撃を緩和・吸収する構造になっております。

▼強化ガラス
主にサイド・リアガラスに用いられ、ガラスを700℃近くまで加熱し、空気で急冷することにより、ガラス表面に圧縮応力層を形成させたものです。
衝撃抵抗が通常の同じ厚さのガラスの3~5倍あり、急激な温度変化にも強く、厚さ5mmの強化ガラスは約170℃の温度変化に耐えられる丈夫なガラスです。

▼その他
熱線入り、アンテナ入り、熱線反射、高熱吸収、UVカット、濃色プライバシーガラスなどがあります。




▼ガラスの外側をキレイにする場合
自動車ガラスを拭く場合、いきなり雑巾で拭いたり、ガラスクリーナーを使ったりしてはいけません。必ず水で汚れを流しましょう。特に乾拭きは厳禁です。ガラスに汚れがついている状態で乾拭きをすると、汚れの種類によっては傷をつける原因となります。水で大まかな汚れを洗い流したら、仕上げに乾拭きで磨きましょう。水分が残らないように、キレイに拭きとるのがポイントです。ガラスに汚れがない状態であれば、ガラスクリーナーを使ってもかまいません。クリーナーには、シリコンが使われていないものを選ぶと良いでしょう。頑固な汚れが残っている場合は、油膜除去が可能なカーシャンプーを使って洗い流してから乾拭きをしてください。

▼ガラスの車内側をキレイにする場合
まず下拭き段階として、水で濡らしたタオルでガラス面を拭いていきます。この時、タオルをしっかりと絞るのがポイントです。タオル生地や汚れによってはガラスに すじが残ってしまうこともありますが、現段階では問題ありません。 下拭きをせずにいきなりクリーナーで掃除をすると、かえってムラができますので、面倒でも下拭きは必ず行いましょう。また下拭きでは水で落ちる汚れが落とされ、油汚れが残っている状態です。この段階でもクリーナーは使わず、別の乾いたタオルにアルコールを塗布して残った油汚れを落としましょう。 最後にようやくクリーナーの出番です。繊維の細かいクロスを併用して仕上げます。クリーナーをクロスに塗布してガラスを拭いていきますが、クリーナーをあまりつけすぎないように注意してください。




ガラスの表面に泥や汚れが付いている状態でワイパーを作動させると、キズをつける原因になります。
ワイパーのゴムに付着した汚れも取り除きましょう。濡れたタオルやティッシュペーパーだけでもキレイにできます。
ウォッシャー液を噴出してから作動させてください。



冬の早朝などに車を出す際に凍ったフロントガラスに、お湯をかけて解凍するのはおすすめできません。
フロントガラスに急激な温度変化を与えると、ヒビが入ることがあるので注意して下さい。また、修復可能な小さいヒビが大きくなり、ガラス交換になる場合もあります。
車に乗る時は、エンジンをかけてヒーターから出る温風で、凍ったフロントガラスが徐々に溶けるのを待ってください。
3~4分程で十分に溶けます。なにかと忙しい時間帯ですがまず一呼吸置くことがあなたの愛車を守ることができます。




アウトドアで遊んだ後など、手や服に砂が付いたままで、サイドガラスを開閉するとベルトモールに砂がたまりキズがつきます。    
また、半開状態での物の出し入れ時にガラスが欠けることがあるので注意しましょう。